VRゴーグルの蓋が壊れたので、なにが問題かを考えてみた

勤め人

どうも、ちょっとした家電製品の信頼性試験の数量は3個なわけですが、実際に問題になるのは、どういう時なのかを考えてみましょう。

以前、こんな物を買ってみました。

いわゆるVRゴーグルですね、、何のために買ったかというと、DMM.comで、、、ということですが、使い始めると。速攻で壊れました。

さて、どこが壊れたかというと。

黄色い矢印部分にある、磁石で蓋を止める方式です。この磁石がすぐに取れました。。

・・・まあ、安いのでしょうがないか、ということで速攻捨てたのですが(この辺の値段と品質のお話はまた別途するとして)、この不具合は設計問題なのか製造上の問題なのかどっちでしょうか?という考え方をしてみます。

設計の観点
この磁石は接着剤で付いていました。
(本来であれば、はめ込み方式にして外れないような構造にするのが正解なので設計問題ではありますけど、型にスライドが必要になるから無理だったのかも。。。まあそれはおいといて)
ということは、蓋は開閉する物ですから、開閉の時にかかる引張る力に耐えられる接着強度が必要なわけです。
・この必要な接着強度は、蓋の開閉時にかかる力を計算で算出したり。
・選定した接着剤の実用強度を確認しながら接着剤を決めたり。
・または、とりあえず、過去の実績のある接着剤と接着剤量をそのまま使って、大丈夫かどうかは信頼性試験で確認する。
というような方法があります。
まあ外れたくらいですから、多分の過去の実績で選んだんでしょうが、適切な接着量で信頼性試験を行った結果、イケる!という判断がされたとしましょう。
ちなみに、信頼性試験とは、例えば
・高温(40℃)環境下で開閉しても問題ない
・低温(0℃)環境下で開閉しても問題ない
・100cmの高さから落としても問題ない
・蓋の開閉を1000回しても問題ない
等々ですね。この辺の規格はISO(JIS)から引用したりする場合もあります、ISOから引用すれば科学的根拠に基づいた確認結果になる。という仕組みです。
で、試験をした結果、この接着剤でこの塗布量で接着すれば、信頼性試験に合格するから、問題ないね。それで、この条件では初期接着強度は○○kg以上であるから、製造上では○○kg以上の接着強度である事を抜取検査で確認しましょう。
などという感じで設計が完了するわけです。
というわけで、設計上では、指定した条件で作れば、問題ない強度の製品が製造されますよ~ということになるわけで、一旦は設計の問題ではないね。な~んて話になります。
じゃ次は製造上の観点について考えてみましょう、別記事で。。。

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