何かの本からこんな本にたどり着いた、
・石器時代の経済学
初版は1984年、私がまだ可愛らしかった(はずの)ころだ。
何が書いてあるかというと、石器時代の働き方や物品の交換について実地調査からの結果をいろいろと紹介してくれる本、となる。
石器時代というと、常に食べ物を探して苦労していた、というイメージが付きまとうが、実はそんなことはない、という事を証明する本でもある。
むしろ、現代の方がいろんなところで飢餓や貧困で苦しんでいる人がいて、豊かなはずの現代社会でなぜこんなにも苦しむ人がいるのか?と疑問が湧いてくる。
その答えの一つは、欲望・要求が強すぎる事、にありそうだ。
どっかでも書いたが、足るを知る、これこそが我々に必要な考え方なんだろう。
狩猟採集民はさほど働いてない
石器時代というと、狩猟採集の時代と言われる旧石器時代、というモノを学校で習った気がする。
狩猟採集時代は、いつも獲物が見つかるわけではなく、サバンナの肉食動物のようにいつもおなかをすかせて獲物を探し回っていた、、というイメージがあるかと思うが、実は実態は違う。
というのも、労働時間を調べると、石器時代の人達は、
・1日3,4時間くらいしか働かない(獲物をとったり採集する労働について)
という事実があるからだ。
食料の為に費やす労働は一日数時間程度で、後は、部族の人達の交流したり、ダラダラしたりしていた、というのである。
現代の我々よりも、圧倒的に労働に費やす時間は少なかったわけだ。
食料は豊富で必要に応じて人間が間引かれるから問題なし
石器時代の頃は獲物も豊富で植物も豊富だから、上記のように1日数時間も働けば十分な食料が手に入れられた。
もちろん獲物が手に入らない時などもあるが、部落自体の人数が必要に応じて制限される為、危機的な欠乏状態になる事はなかったようだ。
いわゆる、老人や子供の数を制限する、という方法で。
今で考えるとひどい、と考えられるかと思うが、当時は部落全体の利益を考えて調整がされていたようだ。
今でいうシェアが盛んでモノを持たない文化
獲物を取ってきたとしても、自分達の家族だけで食べるのではなく、部落の人達に惜しげもなくふるまう、という行為がおこなわれていた、今でいうシェア文化みたいなモノが部落全体に適応されていた。
首長に至っては、人からモノをもらう事があってもため込む事はせず、皆に惜しげもなく分け与える、この行為によって尊敬を得る。
いわゆる気前の良さが、首長の条件だったりするというのだ。
ケチな人間は周りから尊敬されない時代だ、現代とは偉い違いだ。
モノをため込む人間では偉くなれないし、ため込む必要もない、必要な時にはある程度働けば必要なモノは手に入ったし、部落の中では助け合いもあるからだ。
現代社会に置きなおすとどうなる
上記のような石器時代の文化を現代に置きなおすとどうなるか?
自分では財産をため込まず、周りの人達に与え続ける、ということだが、、これって、
ギブアンドテイク
与える人が成功する、というこの書籍のまんまじゃなかろうか。
昔読んで内容あまり覚えていないが、与える人”テイカー”が成功しやすい、という意味の事が書かれている。
モノだけでなく、誰かに情報を伝えたり、人などを紹介した人が、回りまわって成功していく。
もしかしたら、石器時代から現代はなにも変わっとらんのかもしれん。
モノを欲しがるから労働時間が増える
石器時代の人達は、何かモノをもらってもまったく大事にせず、気前よく人にあげたりする。
これは必要なモノは自分達で必要な時に作れるからだ。
現代のように商品が複雑化しておらず、自分達で自然から作れるモノばかりだったから、モノに執着する必要がなかったわけだ。
だから、、労働というのは自分達が必要な分だけの食糧を調達すれば終わる。
一方で現代社会はどうか?
いろんなものを欲しがるから、沢山のお金が必要となって、長時間働いてお金を手に入れる必要がある。
食事をするだけなら、自炊をすれば食費だけなら1か月2万円もあれば足りる、だけど、もっともっと欲しいモノがあるからお金が必要になる。
我々が長時間働くのは、欲しいモノが沢山あるからかもしれない。
FIRE本にある節約(欲求の制限)とつながる
FIRE本(早期経済的独立を目指す本)にある、まずは節約、というのは上記の欲しいモノの制限に他ならない。
必要最低限の欲求を満たす収入や必要最低限の労働時間で生きていけるようにする。
まさに、石器時代の生き方と考え方は一緒だ。
何万年と人類は生きてきて、文化を著しく発展させたかもしれないけれど、人によっては結局目指すところは石器時代と変わらんのかもしれない。
私がやっているミニマリストも似たような考え方の一つかもしれないし、古くて単純なモノを使いたがるのも同じ事かもしれない。
脳みそが、複雑なモノを認識する事ができないんだろうね。。
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