表面だけを見ているからちょっとした変化に戸惑う

勤め人

 勤め先の基幹システムと呼ばれるものが変更されようとしている、私はあまり関わりがないのでわからないが、何度も変更は延期されているものである。

 ついにこれ以上の延期はできないということで、次月より変更が行われるにあたり、教育会が順次実施されている。

 その教育会を覗いてみるに、皆表面の変更に戸惑っているだけなのである。

 

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中身は変わらないのに戸惑う理由とは

 期間システムの変更、とはいえ、行っている事は同じである、要するに受注発注システムであるからして、システム内で行われている事は以前のシステムと基本的には同じはずである。

 皆は何に戸惑っているのだろうか?それは、システム内で行われている事に戸惑っているのではなく、表面、インターフェースの変更に戸惑っているのである。

 中身は以前のシステムと同じ事ができるように、システム担当者や業者の方が長い時間をかけてシステムの調整を行われていると感じる。

 よって変更となるのは、インターフェースの部分だけである。このインターフェースの変更というものによって困る人達とはどういう人達なのか、彼らはこのボタンを押した後はそのボタンを押してこの数字を入力する。というような手順で作業を覚えているのである。

 これは基幹システムのみに限らない、製品の検査でも同じである、最初にこの穴にこのケーブルを刺してこのボタンを押して音を出して、次はその穴にそのケーブルを刺してそのボタンを押して音を出す。というような記号で作業を覚えているのである。

 このような覚え方をしていると、ちょっと変更が入っただけでお手上げである。やれ、あのボタンがないだの、あの穴がないだのと言い出すのである。

 戸惑うのは覚え方、理解の仕方に問題があるのである。私から言わせれば新しいシステムはやっと現代っぽくなって検索方法が細やかになって非常に使いやすくなったと思えるものである。

 

デジタルネイティブの若者はすましたものである

 小さい頃からスマートフォンやPCに接してきたであろう、20代前半の若者も教育会に参加していたが、彼はすましたものである。

 「え?やってること何もかわりませんよ」

 と彼は言っていた、まったくその通りである、彼は表面をなぞった覚え方をしていないのである、システムで何をやっているかが理解でいているから、インターフェースが変わっただけでやっている事は何も変わっていないということを理解している発言である。

 彼に言わせると、変更に戸惑う理由がさっぱり分かっていない様子であった、それもそうである、表面の手順のみを記憶している人達に教えたことも教わった事もないからであろう。

 思えば若者達を教育していたのは、理解力の高い人が教えていた、その理解力の高い人はすでに勤め先を辞めてしまったが、優秀な人に教えられた若者は表面をなぞる教わり方はしなかったのであろうと推測できる、やはり優秀な人は教え方も優秀なのであろう。

 

文字を読む能力や理解力が低下している

 私は基幹システムについてはあまり触ったことがなかったのだが、数回の教育会を経て思う事がある、皆、まったくもって理解力が乏しいのである。

 ITリテラシーという言い方もできるのだろうか、PCを使うシステムとは結局はアプリである、皆アプリの使い方が良くわからない、ということではなかろうか。

 手順書も作られている、手順書を見ればアプリの使い方はそれなりにわかるものであるが、それでも作業ができないのである。これは何を意味するのであろうか、アプリの使い方、というかPCの使い方に慣れていない、または手順書に書いてある日本語が読めない、という事に他ならない。

 最近思う事がよくある、PCが使えない人はたしかにいる、特に私よりも年齢が先輩の方に多いがPCの操作も表面上の作業方法で覚えているのであろう、さらに思う事は、日本語が読めていない、見えていないのである。

 作業手順書に書いてある事が理解できない、PCの画面上に出ている文字の内容が理解できない、こんな事はザラにある、この原因の一つが動画の普及にあるのではなかろうか。

 テレビではその人の話した事が同時に字幕で出てくる為、字幕を理解するのは音声も同時に聞いているから容易に把握できるであろうが、文字だけになったとたんに理解力が落ちるのである、誰かに説明されないと書いてある事が理解できないのである、または、見えないのである。

 これも日本人が読書をしなくなった事に関係が無いとは言えないだろう、読書をしなくなり、テレビや動画ばかりを見るようになって文字を認識する能力が落ちてきているのである。

 そんなことを基幹システムの教育会を受けてみて思う、みんな物事を認識する能力が低下しているのである。

 

読書をするしかない

 以前にかなり理解力の乏しい人に製造作業を教えるのに大変な思いをしたが、基幹システムの教育を行うのも同じことである、教育を担当する人は非常に大変であろうと思う、また、理解力の乏しい人に限って文句が多かったりするという法則もあろう。

 従業員全体へ話す機会で会社のTOPは言っていた、新システムへの移行は大変であろうが、便利な部分もあるので是非いろいろ使ってみてほしい、と。

 違うのである、表面だけで覚えている人に便利な部分は理解ができないのである、なぜならばその便利な部分は彼らの表面のみの作業手順上には挙がってこない部分だからである。

 いろいろ問題があるからTOPの立場としては言えないだろうが、本当に伝えなくてはいけない事は表面上の使い方だけを覚えるのではなくて、中身で何が行われているのかを理解し、システムの中身は変わらずインターフェースだけが変わったのであるからして、戸惑うのは理解の仕方が悪いのだということをを伝えなければならないのである。

 そしてその理解力が乏しい理由は、テレビばかり見て読書をすることや勉強する事を怠っているからであるということを。

 まあそのような事を会社のTOPが言ってしまうと何ハラになるかはわからないが問題となるであろうが、誰かが教えてあげなければならないとは思う。

 やはりテレビを見るのは辞めた方が良いと思う、そして読書をする方が良いと思う。

 読書も図書館で借りてくればタダである、ぜひ全日本人に読書の習慣を身に付けてほしいものであります。

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