多様性の科学という本を読みまして、
多様性を失った組織がどれだけアカンか、多様性のある組織がどれだけ良い意見がでるか。
と言ったことを具体例を挙げて説明してくれる本です。
いろんな事例がありますが、私に突き刺さったのは、
・自分が良いと思った事が相手にとって最善ではない
という、まあ、当たり前の事実です。
誰かに何かを教える立場の人は、自分のやり方がその人にとって最善でない可能性がある、という事を覚えておくと、もっとスムーズに物事を指導できるかもしれませぬ。
多様性が様々な イノベーション(良い意見等)を生む
書籍の冒頭で紹介されているのは、
9.11の同時多発テロをなぜCIAは予見できなかったか、という事例で説明しています。
当時のCIA組織というのは白人高学歴の人達ばかりだったようで、彼らの印象ではビンラディンというのは穴倉で胡散臭い存在、というように認識されていたようです。
しかし、イスラム教などに詳しい人からみるとビンラディンのやりかたは、歴史に則った救世主を思わせるような演出を上手く使っていた、となるそうです。
白人高学歴の人達で固められて、多様性(イスラム教やユダヤ教に詳しい人など)が無かったCIAはビンラディンの危険性に気づく事はできなかったわけで、
当時のCIAにイスラム教に詳しい人種がいれば、、、正しい判断ができる可能性が高まった、ということになります。
これこそが多様性が生み出すイノベーション(良い意見だったり、考え方)なわけです。
仲良しこよし組織からは多様性が無くなる
我々はCIAではありませんが、、普段勤めている会社などで考えてみますと、会社の部署というのはどのように作られていくかというと、
所属長が所属する部員や課員を決めていきますが、この時の基準というのは往々にして
・自分に従順な人間や仲の良い人
を選ぶ可能性が高いのは自分が所属する部門を見ても良くわかる事だと思います。
自分に従順な人の方が扱いやすいし、仲が良い人の方が仕事がしやすいので、選定基準が上記のようになるのは当然なのですが、結果として
・似たような考え方の人間が集まって多様性が無くなる
という事になります、別に問題ないと思うかもしれませんが、多様性が無いということは、、新しい考え方や革新的なアイデアは生まれにくい環境になります。
逆らうから議論が盛り上がる
サラリーマンをしていると、いつも口うるさい人がいると思います、いわゆる逆らってばかりいる人ですね。
逆らうとどうなるかというと、違う意見を出すという事ですから、議論が盛り上がる事になります。
議論が盛り上がった結果、さらに良い結果や思考を生む、という事になるわけです、これが多様性のメリットです。
似た者同士が集まると、それいいねって感じで違う意見も出ず、どっちかというと長い物には巻かれろ精神で何か意見をいう事もなくなります、そうすると会議なんて盛り上がりようがありません。
さらには、所属長が間違っていても正す人がいなくて間違ったまんま突き進む、何てこともあります。
組織として何か良い意見や結論を導きだしたいなら、自分と違った考え方やモノの見方ができる人、従順なだけでなない、いろんな意見を言う人を集める必要があるわけですね。
・・・とは言え、サラリーマンで逆らってばかりいたら、そのうちどっかに飛ばされますけどね。。
自分のやり方が正しいとは限らない
CIAの白人エリートはイスラムやユダヤの考え方に思いが至らないし、仲良しこよし組織の会社では新しい考え方はでてこない。
これは組織だけではなくて、個人にも当てはまります。
私はミニマリストなので、、部屋も机の上もな~んにも無い状況が一番やりやすいのですが、これが万人に当てはまるかというと、そんなわけがないんです。
私からみると、意味不明な散らかり倒した机の上で仕事をしている人は、そのほうが落ち着くし頭が整理されるんでしょう(そういえば私の父親もそうでした・・・)
私からしたら、何か作業をするときは机の上は必要なモノだけを置け!なんて指導しがちなんですが、実はこれって間違っているんですね。
正しくは、机の上に何もない方が効率が良くなる人と、机の上にフィギュアやら家族の写真やらなんやらかんやらと置いている人と、それぞれの人に一番良い方法がある、と考える必要があるわけです。
一時期フリーアドレスがもてはやされた時がありますが、、、これも、固定机で自分の世界を作れた方が仕事の効率が上がる人もいる、という多様性を無視した流行り、とも言えます。
多様性を許容してみると、何か良い事が起きる、かも
普段人間は似たようなもの同士でつるみます、その方が楽だからです。
地元のイツメンで毎回同じ場所行って同じ話をして、、、当然楽しいですが、新しい何かは生まれないでしょう、が別に何か新しい事が起きなくてもいい、という場合もありますが。
とは言え、何か自分を変えたい、新しい考え方を取り入れたい、という時は、イツメンと一緒にいてはなかなか発想が飛躍しません。
何か新しい事がしたいなら、多様性を取り入れる時でしょう。
自分と考え方が違う人と絡むのは、結構精神力を使いますが、終わってみれば楽しかった、ってことになるのが人間ってもんです。
自分が組織を作る立場になったら、自分に従順でない人間も入れてみましょう。
誰かに何かを教えるときには、自分のやり方がその人にとってベストではない可能性も考慮しましょう。
人生に悩んだら、、何かよくわからないセミナーに行ってみたり、普段行かない場所に行ってみましょう。
多様性を許容できるようになれば、いろんな考え方が許容できるようになって、万人にやさしくなれますよ。
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