メイドインジャパンを有難がる時代は終わった

独り言

私は製造業に勤めております、会社で作っている製品はmade in CHINAもあればmede in JAPANもあります。

ある時、とある理由により中国製から日本製へ変更した商品があったのですが、、その商品がどうなったかというと、、

・なぜか注文が減った

という冗談のような現象が起きました、時期的なモノかもしれませんので理由ははっきりとはわかりませんが、この話を聞いた時に私が思ったのは、

工業製品においてメイドインジャパン神話ってのはすでにない

ということですね。

工業製品と言っても様々な種類がありますが、例えば、半導体の場合はどのように作るかというと、全て機械が作ってくれます。

人間は機械の設定をいじるだけで、基本的には機械の性能でモノの良しあしが決まります。

機械の性能で決まるのですから、高額な機械をしっかりと管理すればよいことになります、必要なスキルは、機械を正しく動かす事、なわけです。

この機械の性能でモノの品質が決まる、というのが、日本国内の半導体メーカーが衰退した要因です。

機械は同じものであれば、あとはかかる費用は機械を管理する人間の人件費です、今はアジアの地方都市であれば日本人より人件費が安いですから、アジアで作った方が安く同じものが作れる為、日本国内の半導体メーカーはコストで負けたわけですね。

これが、、機械だけで決まらない場合はどうなんでしょうか。

モノによっては、全てが機械作業できない物があって、日本国内の場合だと、

熟練の職人技

といったモノで作られている物があります、熟練の職人技が必要な製品をアジアで作ろうとすると、それなりに職業訓練などが必要だったりしてなかなかアジアで作れない、という妄想があったわけです。

ただ、これも様子が変わってきています、というのも、熟練の職人技というのは熟練の管理者が作るものでもあるからです。

アジア、例えば中国の場合は、10年以上前、日本メーカーに現地の人が就職して一生懸命モノを作ったり管理業務をしていました、そして、その人達は、日本語が話せたり英語が話せたりする、中国国内でも優秀な人達でした。

その人達は今も日本メーカーに所属しているかというと、多くの人が辞めています。

というのも、日本メーカーで管理業務などを覚えて、他の国内メーカーや日本以外の外資のメーカーに転職していくからです、なぜなら、日本メーカーより給料が良いからですね。

これらの事は10年以上前から起こっていた事です、実際に私も見ていました、、優秀な人は2,3年勤めたらさっさと辞めて自分で事業をしたり、他に転職していくのです。

さて現在、若くして日本の企業などで学んだ人達が中国でしっかり管理をしているとなると、中国国内でも熟練の職人や熟練の管理者が多数生まれている、という事になるわけです。

という事は、日本と同じような品質でモノを作れる人達が大量にいて、田舎に行けば安い人件費で人が雇える、ということになるわけです。

半導体業界の機械を同様のモノを使うかの如く、同様、さらには日本以上のやる気と技術をもった人達が同様にアジアにも存在するということなのです。

となったときに、冒頭でmade in CHINAからmade in JAPANに変わった製品があまり売れなかった、という理由も明らかです。

・別に日本製じゃなくても品質は良いのだから、むしろ高くなって要らないよ

というようなお話が現実に起きうるということです。

すでに全世界で売れに売れまくっているiPhoneは中国で作られていますし、中国メーカーのスマホもまったく品質に問題はありません。

もし、日本製・日本国内製造のスマホ、等というモノがあったとしたら、価格が高くて買いたくもないモノになるでしょう。

すでに、工業製品においてはメイドインジャパンはさほどありがたくないのですね。

普段使っている物をよく見てみるとわかります、日本製のモノってありますか?

ユニクロを着ている人であれば、日本製のユニクロを見つける事はできません。

スマホは中国で組み立てられています、一部白物家電が日本国内製である場合がありますが、これはモノが大きくて海外から輸送するのにコストがかかるからしょうがなく国内で作っているだけです。(たぶん・・)

モノによっては何十年もつくっている手作り品などは日本製というのもあるでしょう、それは、ドイツ製のフライパン、とかイタリア製のなんたら、、というように高級品に属するモノです。

しかし、一般的に使う安いモノであれば、もはや日本製というのは世界的にみても必要の無いモノとなったのです。

メイドインジャパン神話は一部終わった、というのが現実なのでした。

コロナ渦で海外への出張は行けなくなりました、その結果、中国からの製品の品質は落ちたかというと、

・あんまり変わらない

というのが印象です、むしろ、行けなくなったことで中国の業者が責任をもって自社で対応するようになった印象があります。

全世界に沢山受け入れられている中国製やアジア製の商品、品質が良くなかったら売れませんよ。。

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