私、実は過去に2度ほど詐欺被害に遭った経験があります。 今回はその中でも特にひどかった、賃貸物件でのお話。 聞けば「そんなのに騙されるなんて…」と思うかもしれませんが、 巧妙な手口と、信じたくなるようなストーリーに、 まんまと引っかかってしまったんですよね。
まさかの家賃滞納、そして物品窃盗
事の発端は、私が賃貸で貸し出した物件。 入居者は家賃を数ヶ月間、全く払ってくれないんです。 「どうなってるんだ?」と思って連絡しても、 最初は返事が来ても、そのうち音信不通に。
そして、ついに我慢の限界が来て部屋を見に行くと、 そこには目を疑うような光景が広がっていました。
私が部屋に備え付けていた家電、 テレビ、電子レンジ、洗濯機、小型冷蔵庫…… なんと、その全てがなくなっていたんです。 さらに驚くことに、 ビルトインのIHコンロまで、わざわざ取り外して持ち去られていました。
家賃滞納分と、盗まれた設備代を合わせると、 被害額は数十万円にものぼります。 正直、もう笑うしかないですよね。 本当に信じられない出来事でした。
次々と出てくる、ありえない言い訳と巧妙な手口
最初の半月分だけは、現金でサッと支払ってきたんですよね。 だから私も、「ああ、ちゃんとした人なんだな」と信じちゃったんです。 でもその後、家賃はピタリと止まりました。
私が催促するのが苦手なこともあって、 しばらく放置してしまっていたのも悪かったんですが、 問い詰めてみると、 「銀行口座が止まってしまって、振り込みができません」 とか、 「お金は払いますから、親に振り込んでもらいます」 とか、 ありとあらゆる言い訳をしてくるんです。
でも、当然そんな振り込みはいつまで経ってもありません。 「親はもう振り込んだって言ってるんですけど?」 と聞くと、 「おかしいですね…親に聞いたら、振込先を間違えたみたいです」 なんてことを言い出す始末。
さらにその「間違えた」という証拠写真もなければ、 「親はスマホに疎いから写真が撮れない」 とか、また新しい言い訳をしてくるんですよね。
記録に残さない、やたらと長い電話が特徴
この詐欺師の最大の特徴は、 とにかく電話で話そうとすることでした。
普段のやり取りは、LINEなんですが、 大事な話になると必ず電話をかけてくるんです。 「電話してもいいですか?」って。 しかも、その電話がめちゃくちゃ長いんですよ。 1回20分、30分なんて当たり前。 とにかくダラダラと喋り続けて、 こっちが「あー、もうわかった」ってなるまで話し続けるんです。
その電話では、 「実家の親がどうのこうの」とか、 「親族が大勢来たけど、大喧嘩して帰ってしまった」とか、 「日雇いのバイト代が振り込まれない」とか、 「闇金でお金を借りてきます」とか、 次から次へと、新しいストーリーが展開されていくんですよね。
しかも、そのストーリーに出てくる「親」や「親族」には、 絶対に会うことができません。 「会いたい」と言っても、 「喧嘩して帰ってしまった」とか、 「電話は取ってくれない」とか、 ありえない理由をつけて、絶対に会わせようとしないんです。 LINEやDMの履歴を送ってきて、 「ほら、実際にやり取りしてるでしょ?」 と見せかけてくるんですが、 スマホを複数台持っていれば、 そんなものは簡単に作れてしまいますからね。
金銭的な被害だけじゃない、ボロボロにされた部屋
お金や盗まれたモノの被害も大きかったんですが、 何より腹が立ったのは、 退去後の部屋のありえないほどの汚さです。
普通、ゴミはきちんと分別して、 ゴミ袋に入れてゴミ捨て場に持っていくじゃないですか。 しかし、この詐欺師はそれすらやっていませんでした。 なんと、ゴミは全て分別されることなく、 ベランダに山のように積み上げられていたんです。 缶やペットボトル、食べ残しなど、ありとあらゆるものが 一つのゴミ袋にゴッソリと入れられて放置されていました。
さらに、驚いたのは、 部屋の押入れの奥に、 きれいに整列されたペットボトルが大量に積み上げられていたことです。 「一体、何がしたいんだ…」と、怒りを通り越して呆れてしまいました。
しかも、その詐欺師は、 「私、掃除はプロ並みにできますから」 なんて得意げに言っていたんですよ。 信じられないですよね。
今回の経験から学んだこと
今回の被害を経験して、 私なりに学んだことがいくつかあります。
- 「やたらと電話をしてくる人間には気をつけろ」 電話は記録が残りません。 詐欺師は、自分の言ったことをごまかせるように、 文章ではなく、電話で話したがる傾向があるようです。
- 「怪しい人にはすぐに出て行ってもらう」 「もう出て行きます」という言葉は、 ただの口実です。 本当に反省しているなら、 借りたお金を返す努力をするはずです。 払えないとわかった時点で、 すぐに退去してもらうべきでした。
- 「登場人物に会えない人は要注意」 親や親族、友人の名前を出すのに、 その人には絶対に会わせようとしない。 これは、存在しない人物である可能性が高いです。 安易に信用してはいけません。
- 「クレジットカードが作れない人は信用しない」 クレジットカードが作れないのは、 信用情報に問題がある証拠です。 そもそも借りられるお金がないので、 家賃を滞納する可能性が高いです。
まさか自分がこんな被害に遭うなんて、 夢にも思っていませんでした。 でも、この経験を無駄にしないためにも、 皆さんも、私みたいな人間じゃないと思うかもしれませんが、 どうか、人を見抜く目を養って、 同じような被害に遭わないように気をつけてくださいね。


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