Amazonやお店で製品を買うと不良品をつかまされる事もあるでしょう、なぜ不良品をつかんでしまうのか?なぜ不良品が存在するのかを考えてみましょう。
なぜ不良品が存在するのか?
この問いに対する答えはこれです、
・世の中に完全なモノはない
ということです、自分が選んだものは素晴らしい・最高の商品だ、と思ってしまうのが人間ですが、我々が手にしたものは残念ながら、
大量生産品のうちの一つ
でしかありません、そして、大量につくられたものにはある程度の不良品、というものがどうしても混じるのです。
製造業で働いた事が無い人には想像もつかないでしょうが、現場を見ればわかります、不良品なんて毎日大量に発生するんですから。
不良品は生産工程で排除されるのではないのか?
不良品がどうしても生産されるのはわかったけれど、作っている過程で発見されて、市場には出ていかないのではないか?
と思うのが当然だと思います。
確かに、商品の生産工程ではその商品が問題なく機能を果たす事を検査しています、が、それはしょせん、
・その時は動いていた
という事でもあります、そして、あり得ないと思うかもしれませんが、
・その時の検査が漏れた
なんてこともあり得るのです。
どういうことでしょう?
その時は動いていたのになぜ我々の手元では動かないのか
生産工程の検査では動いていたものが、なぜ我々の手元に届くころには動かなくなってしまうかというと、製品にはバスタブカーブというこの世の常という考え方があります。
バスタブカーブとはこんな感じです。
赤い点線が初期故障率で最初に故障率が高くてそのうち故障率が低くなる
黄色い点線が時間経過とともに故障率が上がっていく、という曲線で、この二つを合わせた不良率が青い曲線でバスタブのような形をしているからバスタブカーブと言われます。
簡単にいうと、初期不良というのはある程度高くて、長期間使えばまた不良率が上がる、ということです。
初期不良というのは、まさに生産工程では動いていたものが、出荷して輸送して展示されて、、、といった過程を経る事で、接合部分の不備などで不良になる、ということです。
このようにして、初期不良というのは”ある程度”存在するのです。
生産工程でしっかり検査していても、、、我々の手元で不良になるのはこういう割合がある程度ある、ということです。
さらに、しょぼい製品になると、もっと訳の悪い不良品が存在します。
そもそもしっかりと検査されていない説
上記は生産工程で検査された場合ですが、もっと悲惨な場合として、生産工程で検査が飛ばされた、という場合もあり得ます。
こんなことがあり得るのか?と思うでしょうが、大量生産で安いモノを作っている現場というのはどうなっているかというと。。
・めちゃくちゃ忙しい
というのが現実です、安く大量に作るという事は、ノルマがあって大量の数を早くこなさなければなりません。
いろんなところからプレッシャーをかけられて、現場では大変な事になり、過酷な現場では作業員が入れ代わり立ち代わり、いろんな人が様々なプレッシャーのなかで急がされて目の前の作業をこなす。
なんてことがあり得るわけです、このような状況で起きるのが、
・検査漏れ
という状況です、人は忙しすぎたり、疲れすぎたりすると判断力が鈍りますので、人間が作業を行う場合はかならず漏れが発生します。
機械化されている工程ならば、漏れは最小限に抑えられるでしょうが、まだまだ人間が行っている場合が多いので不良品が市場に出てしまう、ということもあるわけです、これもバスタブカーブの初期不良品となります。
このようにして、どうしても大量生産品というのは市場に不良品が存在する事になるのです、だけど、、その不良品をやたらと引く、、という人もいるでしょうが、不良率が一定ならば、なぜ自分のところにだけ、、というのはどういうことなのでしょう。
そもそも使い方が誤っていないか、仕様を不良と思っていないか
やたらと不良品を引く、という人は実は、
・そもそも使い方を間違っている
であったり、
・仕様を不良と思っている
という可能性があります、どういうことかというと、
使い方を間違うと早く壊れる場合がある
例えば私は最近Wifiが壊れました、使っていたのはこれです。
コンセントに直挿ししてLANケーブルをつなげばWifiがつながる、という製品で非常に重宝していたのですが、謳い文句が、
・ホテル用
と書いてあります、ということは、出張や旅行などで、一時期だけ使う、という事を想定している商品だという事がわかります。
私はこの商品を自宅でず~っとコンセントに刺しっぱなしの状態で使いましたので、はっきり言って用途が違う、ということです。
電子製品に限らず、どんなものでも熱を加え続けると劣化が促進します、ず~っとコンセントに刺された製品は熱がかかりっぱなしで劣化が促進されて、壊れた、ともいえるわけです。
使い方を誤ると、早く製品というのは壊れるのですね。
細かい人はいろんな事が気になって不良だと思ってしまう説
世の中には細かい事が気になる人がいらっしゃいます。。
この製品のこの隙間が気になる、製品からちょっとしたカラカラ音がする、、等というように、製品としては機能をはたして動いていても、見た目やちょっとした音に反応してしまう場合です。
これって実は、、
・ただの仕様
だったりすることがあるのです、見た目を売りにしている製品であればちょっとした見栄えの悪さは不良ですが、機能をもった製品の場合は、基本的に動作や機能が満たされていれば問題ないはずです。
だけど、機能や動作ではないなにか?が気になって不良と思ってしまう場合もあるのです。
私は昔、謎の中華製品と買った時に、私が持っているUSBケーブルで充電できない事があったのですが、、それは不良ではなく、”付属の”ケーブルで充電すればしっかりと動作するものでした。。
考えようによっては不良品ですが、これまた考えようによっては正常品だった、ということです。
これが、そもそも仕様であっただけで、個人が気になった点を不良としてしまった、という場合です。
世の中には完全なモノはない、温かい目で見てあげてほしい
私は製造業で働いていますので、世の中には少なからず不良品が存在する事を知っています。
もちろん、少しでも不良品が世の中に存在しないように努力はしていますが、いわゆる品質というものは、
・品質が良い=コストが高い
ということであります、良いモノは高い、というのは当たり前の事で、良い部品を使おうとするとそれなりに高くなる、というのがこの世の常です。
世の中はできるだけ安いモノを求めます、資本主義は大量に安く買って高く売るが本質です。
どうしても不良品ってのはこの世に存在するので、、もし、自分の手元に運悪く、、、いや、逆に考えると低い確率を引いたので、運よく不良品をつかんでしまったなら、、温かい目でメーカーに返却して代替え品をもらってあげてください。
その際には、、できるだけ温和にお話をしていただければ幸いです。
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